👤 相談者プロフィール
年齢:63歳
性別:女性
家族構成:夫68歳・長男35歳・長女29歳(娘は既婚)
職業/生活状況:専業主婦(長年の結婚生活を経て現在は別居状態)
特記事項:6年前に離婚届提出を試みたが夫が不受理届を出し、離婚未成立のまま。夫は胆石で長期入院中(?)。
🗣️ 相談内容
相談者は長年、夫との間で「会話がない」「協力がない」など精神的な孤立を感じながら結婚生活を続けてきた。
子どもたちが独立したことを機に「自由になりたい」と離婚を決意。離婚届を提出したものの、夫が不受理届を出して無効にしたため離婚が成立しなかった。
その後、夫が病気(胆石)を理由に長期入院。役場の協力で不受理を撤回してもらったが、なぜか「離婚が成立していない」と感じており、遠隔操作などの疑念を抱くようになった。
さらに、夫が義母と勝手に家を建て、彼女に出資を求めた件でも返済されないまま5年が経過。弁護士に依頼したが「相手が話に応じない」として打ち切られ、八方塞がりになっていた。
「どうしたら自分の思いを相手に伝えられるか」「これから何をすればいいのか」と、人生の出口を探しての相談だった。
⚖️ 専門家の回答(弁護士:坂井誠先生)
– 胆石で3年も入院するのは通常あり得ないが、「遠隔操作」などの発想は被害的に考えすぎの可能性がある。
– コロナ禍で面会や接触が制限されていた時期に会えなかったのは「妨害」ではなく、全国的に同様の状況だった。
– 弁護士が「手に負えない」と言うのは本来おかしい。離婚に応じない相手がいるのはよくあることで、そこで止まるのではなく次の法的手段に進むべき。
– 離婚協議 → 調停 → 不成立の場合は 家庭裁判所に離婚訴訟を起こすことができる。
→ 「調停が不成立なら、次は裁判で離婚を求めることがあなたにできる道です」
💬 感想
夫婦の長年のすれ違いが「誰にも届かない声」として積もり、相談者の心を閉ざしてしまった。
孤独と不信のなかで、自分の感じた理不尽を「何かの力のせい」にしたくなる心理は、切実で理解できる。
一方で、現実的な手段――法律的な筋道を冷静に進むことが、結局は「自分を取り戻す最短距離」なのだと坂井弁護士は示してくれた。
「諦めではなく、手続きを知ることが希望の一歩になる」――この言葉が、同じように閉ざされた関係に苦しむ誰かの灯になるだろう。
あなたは、自分の“心の自由”を取り戻すために、どんな一歩を踏み出しますか?
📘 まとめ
- 離婚協議・調停が不成立でも、裁判という法的手段が残されている
- コロナ禍の面会制限などを「妨害」と感じた背景には孤立と不安がある
- 弁護士の対応に不満を感じたときは、別の弁護士に依頼し直す選択肢も
- 感情と法的手続きを切り分けることで、現実を動かせる可能性がある
2025年10月18日「テレホン人生相談」より
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