👤 相談者プロフィール
年齢:51歳
性別:女性
家族構成:夫(53歳)、娘(26歳)、息子(23歳)
職業/生活状況:詳細は明示されていないが家庭の中心で息子の問題に対処中
特記事項:息子は過敏性大腸炎の持病があり就労が不安定。派遣就労→退職→失業保険受給→就職を試みるが継続困難。1年前から同棲を始めたが最近同棲解消に至り、相手側(彼女/その父親)から多額請求を受けている。
🗣️ 相談内容
23歳の息子が約1年前に交際相手と同棲を開始。息子は当初派遣社員で勤務していたが、派遣先から継続不可となって退職し、その後は失業保険を受給しつつ就職を探していた。持病(過敏性大腸炎)により就労が長続きせず、正社員に採用されても体調不良で出勤できなくなり離職を繰り返してきた。 同棲中は家賃・光熱費・食費・駐車場代などを主に彼女側が立て替えて支払っていたが、約1か月ほど前、彼女(および彼女の父親)から「これまで立て替えた分として一括150万円を支払え。支払わないなら裁判を起こす」と請求された。さらに、同棲開始時に彼女名義で彼女の父が一括購入した車(購入額約190万円)について、売却で86万円になった結果、残債約80万円が生じており、その残債も折半で負担するよう求められている(この車の負担は150万円の請求とは別扱い)。
息子は現時点で一括支払いの資力がなく「払えない」と主張。相談者は「息子に本当に支払い義務があるのか」「裁判になったらどう対応すればよいか」、当面の現実的対応を求めている。
⚖️ 専門家の回答(大迫恵美子弁護士)
– 同棲期間の生活費を遡って一律に「半分返せ」とする主張は立証が困難。生活費の性質や支払い実態、合意内容(口約束含む)で法的評価は変わるため、請求側が具体的な明細と立証を行う必要がある。
– 車の残債については、名義・契約の実態(誰が支払う約束をしたか、ローンの契約者は誰か、誰が使用していたか)を確認。息子が明確に「負担する」と約束した証拠が無ければ、法的責任は限定的になり得る。
– 相手が裁判を起こしても、裁判所は和解勧告をする可能性が高く、判決で支払い命令が出たとしても実効性は収入次第(給与差押えは手取りの1/4までが上限)。したがって現実的には分割での返済が主流になる。
– まずは証拠を集める(振込明細、領収書、LINEやメールのやり取り、車の購入・売却書類等)。相手に請求根拠の明細を提示させ、書面で分割和解を提案する。訴訟になれば弁護士に相談・委任して争点を整理する。法テラスなどの無料相談利用も検討。
→ 「できないものはできない。まずは証拠を固めて、分割や和解のテーブルを作ることが現実的な第一歩です。」
💬 感想
息子の健康問題とそれに伴う就労不安定さが、若い交際関係に大きな負担をもたらし、結果的に相手側の不満が法的請求にまで発展してしまった。相談者の「息子を守りたい」「でも現実的にどうすれば良いか分からない」という切実さが伝わる。親としての不安、恥ずかしさ、怒り、当惑──複雑な感情が交錯する状況だ。
若年の非正規労働や持病による就労の不安定さ、そして同棲という“私的経済共同体”のルールが曖昧な点が根本原因になっている。口約束で始まった金銭の負担は記録が残らず、関係が壊れたときにトラブル化しやすい。親世代が子の経済的責任を肩代わりすることは一見助けになるが、長期的には問題を先送りにし、再発を招く場合もある。
どこまで子を支え、どこからは本人の責任に任せるか、あなたならどう決めますか?
📘 まとめ
- 同棲中の生活費の遡及請求は、証拠次第で法的評価が大きく変わるため、請求側に明確な立証責任がある。
- 共同で使った車やローンの負担は、名義・契約内容・発言の証拠で責任の所在が左右される。
- 裁判になっても実務上は和解や分割が現実的。差押えの上限(給与の1/4)など回収の限界を踏まえた対応が必要。
- まずやるべきは証拠収集(振込記録・領収書・メッセージ等)と、書面での分割和解提案。訴訟時は弁護士相談を。
- 親としては「感情的な救済」と「本人の自立・再発防止」のバランスを考えた関わり方が重要。
2025年9月22日「テレホン人生相談」より

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