👤 相談者プロフィール
年齢:39歳
性別:女性
家族構成:夫(39歳・海外赴任中)、5歳の息子、相談者は現在実家で両親と同居
職業/生活状況:会社員、月収約9万円/夫の海外赴任中は夫からの生活費の振込あり。夫の現地赴任は残り約3か月の予定。
特記事項:同じ相手と再婚(現婚姻は6年目)。過去に一度離婚歴あり。夫は赴任先での交際・出会い系アプリ利用の事実が発覚。相談者は息子の存在と経済的な不安から、即断を避け慎重に対応したいと考えている。
🗣️ 相談内容
半年前、夫の一時帰国直前に夫から「大事な話がある」と連絡があり、電話で「1年付き合っている彼女がいる」「その彼女が妊娠4か月だ」と告白を受けた。帰国を強く望んで来日させたところ、夫は「現地の彼女の兄がギャングで脅されている」といった事情や「本当は妻(相談者)とやり直したいが今はその場しのぎで離婚を口にした」と弁明した。 夫の携帯には教会の前で左手薬指に指輪をはめた写真(「結婚しました」風の演出写真)があり、夫は「ノリで撮った」と説明。一度は再構築を望み、夫の謝罪としてブランドバッグを買ってもらい和解しかけたが、夫は再赴任後に出会い系アプリで複数の女性と会っていたことが発覚。相談者が強く追及すると、夫は「うつ病になった」と主張し、それを理由に「離婚したい」と言い出した。
相談者は「慰謝料をブランドバッグで済ませるという夫の主張に納得がいかない」「息子のためにどうするべきか」「夫の言っていること(妊娠・ギャング・うつ病)は本当なのか分からない」と悩んでいる。夫側は現在、相談者と直接連絡したくないとして夫の両親を通じた連絡にしている。相談者は働いているが、息子を一人で育てられるかの不安も抱えており、法的・現実的な観点から今後の方針を求めている。
⚖️ 専門家の回答(野島理恵先生)
– 夫の言動は全体として「虚偽」「不誠実」である可能性が高い
→ 「妊娠4か月」「ギャングに脅されて離婚せざるを得なかった」「うつ病で働けない」といった説明は整合性が低く、現地で平然と勤務できている点からも事情説明に信用性が乏しいと指摘。教会の写真やエコー写真の有無など、示された証拠だけで事実と断定するのは危険。
– 慰謝料や賠償に関する法的整理は可能。ブランドバッグだけで慰謝料を消費したと主張されても法的には無効
→ 不貞の慰謝料は個別の金銭請求であり、「謝罪品を渡した=慰謝料全額を放棄した」とはならない。示談で特定の合意があり、双方が実際に合意文書等で放棄していない限り、法的請求は可能。既に受け取った物があることは考慮されるが、全てを否定する根拠にはならない。
– 離婚は相談者が選ぶもの。今すぐ離婚に応じる必要はない(別居・婚姻費用請求を活用)
→ 配偶者の不貞が明らかな場合、相手の意思だけで強制的に離婚されることはない。婚姻関係を維持しつつ婚姻費用(生活費)や養育費を請求・確保し、経済的に自立できる見通しを立ててから離婚するのが戦略的に有利。特に夫の現行年収(海外赴任中は約1,500万円と推定)が高ければ、婚姻費用や将来の養育費で相応の金額を確保できる可能性が高い。
– 証拠収集と専門家(弁護士)相談を早めに
→ 夫のLINEや写真、エコー画像、金銭のやり取り、出会い系アプリの記録、謝罪時の購入履歴(領収書等)など、将来の交渉や裁判を見据えた証拠を整理・保存すること。夫が「うつ病」を主張するなら、その実態(診断書など)も確認を。疑わしい点は弁護士と共に精査すること。
→選択権はあなたにある。すぐ答えを出す必要はない。まずは生活費を確保し、証拠を集め、冷静に次の一手を選んで。
💬 感想
相談者が受けたショックは想像に難くありません。帰国直前に告げられた重大な裏切り告白──しかも妊娠や暴力団的な背景といった強い言葉が同時に提示されれば、混乱し、恐怖と怒りが入り混じるのは当然です。さらに、「再構築を試みた際に謝罪としての贈り物(ブランドバッグ)で解決した」と夫に主張され、感情の整理がつかないまま経済的・心理的な揺さぶりを受け続けている状況は非常に辛い。息子を思う母としての迷いと、経済的自立への不安が交錯していることに強い共感を感じます。
こうしたケースは個人のモラルの問題で片付けられる一方で、経済的依存や子どもの存在が決定を難しくする構造になっています。特に配偶者の収入差(海外赴任中の高収入)や子どもの親子関係(父親への愛着)があると、被害を受けた側が「即断=損失」につながるおそれがあるため、法律的・社会的なリソースを使って安全網を作ることが重要です。また「嘘」を重ねる側は、言葉で被害者をコントロールし、決定を急がせようとする傾向があるため、第三者(弁護士や家族)を介して冷静に対応することがリスクを下げます。
あなたなら、証拠を揃えた上で「いつ」「どの条件で」離婚に踏み切りますか?
📘 まとめ
- 夫の言い分は整合性が低く、鵜呑みにすべきでない。証拠の保存・整理が最優先。
- 謝罪の品物(ブランドバッグ等)を受け取ったからといって慰謝料請求が消えるわけではない。法的措置は可能。
- 離婚は相談者が決める。婚姻費用・養育費を確保してから離婚する戦略が実務的には有利になる場合が多い。
- 夫の健康(うつ)や妊娠の真偽など、相手の主張は文書・診断書等で確認を。疑わしければ弁護士と連携して真偽を明らかにする。
2025年10月23日「テレホン人生相談」より


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