夫が20歳上の“老婆”と関係を――彼は依存症なのでしょうか|テレホン人生相談

テレフォン人生相談
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

👤 相談者プロフィール

年齢:67歳
性別:女性
家族構成:夫(67歳)と二人暮らし。子ども2人(息子・娘)は既に独立。
職業/生活状況:生活維持が前提の同居(経済的理由から離婚は現実的でないと考えている)
特記事項:夫は10年前にも浮気歴あり。今回の相手は82歳女性。関係は夫の申告で約2年前から。発覚は家族が車のカメラの映像を確認した2か月前。

🗣️ 相談内容

夫が職場関係で知り合った82歳の女性と関係を持つようになった。きっかけは「毎日ポルノ動画を見ていたから」らしい。2カ月前に夫が車を使用した際の不自然な行動を疑い、相談者は娘とドライブレコーダーの映像を確認し、別の場所へ行っていることが発覚した。夫は2年前からその女性と関係があり「彼女はセックスフレンドだ」と述べている。浮気はこれで2回目だ。

夫は数年前に身体の病気で治療を受け、その治療が完了した直後に相手のもとへ足が向くようになった。相談者は「依存症ではないか」「病院へ行かせるべきではないか」と不安を抱き、1か月前に依存症の受診を勧めて日程も決めたが、夫の病気治療の都合などで先延ばしになった。家族は怒りと苛立ちを募らせており、子どもの一人は「なぜ一緒にいるのか分からない」と発言している。

相談者本人は離婚するつもりはなく、生活を維持したいと考えているものの、夫の裏切りに深く傷つき、涙が出るほど辛くなっている。夫が依存症かどうか、どう心を整理すればよいか、今後どう対応すべきか悩んでいる。

⚖️ 専門家の回答(弁護士・大迫恵美子)

  • 現時点の話から見えるのは「依存症」と断定できる医学的・行動的兆候ではない。ポルノ視聴や性的関係の再燃だけで依存症とするのは早計。
  • 問題の本質は「家庭」ではなく「夫婦」の関係性。子どもは既に独立しているため、子どもを巻き込んで怒りを共有することで本来の問題から目を逸らしている可能性がある。
  • 離婚しないという選択は経済的現実を踏まえた立派な判断であり得る。重要なのは「自分が心を壊さずに生活を続けるためにどうするか」を現実的に考えること(医療やカウンセリングの活用、夫との率直な話し合い、境界設定など)。

彼は病気というより「まだ男としての欲求がある普通の人」。最終的に大切なのは、あなたがどう生きるかを自分で決めること。

💬 感想

相談者の言葉から伝わるのは深い裏切り感と恥、そして混乱。長年連れ添った配偶者の行動が自分の理解を超えることで、自尊心が揺さぶられている。娘と感情を共有することで一時的な安心を得ているが、それがかえって事実の整理を難しくしている。

事実は「年齢差」「過去の浮気歴」「ポルノ視聴」「治療のタイミング」「発覚方法(ドライブレコーダー)」といった要素で構成される。これらは個別の“非難材料”に見えるが、根底にあるのは長年の夫婦関係のすれ違い、寂しさ、自己肯定感の問題であり、社会的には高齢夫婦の性や孤独が見えにくいまま表面化したケースとも言える。

あなたなら、老いてから伴侶に裏切られたとき、どう向き合いますか?

📘 まとめ

  • 行動(ポルノ視聴や交際)がすぐに「依存症」を意味するわけではない。医療的判断は慎重に。
  • 問題は「子ども」ではなく「夫婦関係」。外部に原因を求める前に当事者同士の関係性を見直す必要がある。
  • 離婚しない選択も生活の知恵。大事なのは自分の心身を守るための境界設定や支援の活用である。

2025年10月15日「テレホン人生相談」より

コメント

タイトルとURLをコピーしました